[2022/02/06] 冬山初心者のための冬山登山入門講座 at ヘブンスそのはらを開催しました

冬山初心者のための冬山登山入門講座のヘブンスそのはら会を開催しました。

ここ5年で見たことがないくらいの積雪

2/6(日)は降雪の予報もあり参加者の皆さんが無事に集合できるか心配でしたが、無事に集合できました。

まずは温かい施設内で説明

ゴンドラをあがり、温かい施設内で羽場崎ガイドから行程や講習内容についての説明。
冬山だからこそ道迷い対策やルート取りが大切ということで、地図を使った現在地確認についても行います。

急斜面での転滑落予防のためのハーネスを装着し、さらに雪崩ビーコンも装着して出発です。

すねまでの積雪の中を出発

スノーシュー、ワカンを装着。ここからヘブンスアルプス縦走路を行きます。

さぁ元気に出発!と言いたいところですが、まずはすねほどの高さの積雪がお出迎え。「ふかふかで楽しい!」と歩き始めるとすぐに膝、太ももまでの積雪に。早速ラッセルで、「しんどい!先頭代わって!」の声。ラッセルでは疲れる前に先頭を交代して、体力を温存しましょう。

今回は参加者によってスノーシューとワカンが分かれました。スノーシューの方は装着も早く、踏み抜きもほぼなく、快適な様子。ワカンの方でも体重の軽い方は踏み抜きもなく快適。ただ大柄なワカン装着の方は踏み抜きも多く、苦労なさっていました。積雪のコンディション、荷重に応じたギア選びの重要さを体感していただけました。

ここまで深い雪はヘブンスそのはらで講習を開催して初めて。ヘブンスそのはらは降雪が十分となったため、7年ぶりに開いたコースがあったぐらいです。

地図・現在地の把握は冬山であっても大切です

最初のピークで地図を使って現在地確認

歩き始めて15分ぐらいで最初のピークに到着。ここで講師より現在地確認の声。
眼下にあるスキーのリフトを目印にする方、地図アプリを使う方、様々。

冬山登山では夏の登山道とは異なり好きなルートを通っていくこともできます(もちろん植生保護や雪崩リスクについては注意が必要です)。先行者のトレースがなかったり、トレースが間違っている可能性もあります。また、夏の登山道を離れると標識という手がかりがないことも。冬山登山中は自分たちがどこにいるか把握することが大切になります。

実は「最初のピーク」という点がそのまま答えで、等高線がわかればすぐわかる問題でした。多少視界が悪くても、上りや下りの傾斜はわかりやすいものです。冬山は地形を活かして風除けポイントを想定して、そこで長めの休憩を取ったりもできます。地図読みの知識が活きてきますよ。

この後、何度もアップダウンを繰り返し、途中はピッケルも使い、恵阿山(恵那山じゃないですよ)に到着。
例年の雪の量なら2時間で来られるところ、3時間かかっています。雪の多さは行動時間・体力の消耗に大きな影響を与えますね。

ロープで確保しながら安全下山

ここからの下りは急な箇所もあるため、ロープで安全を確保しながら行動します。

雪の下には木の切り株があり何回もひっかかりました。こういった隠れた危険があることを知ることができるのも学びですね。

いわなの森への下りは急傾斜をトラバースしながらの下り、かつ、笹の葉の上に大量の積雪で踏み抜きが多発。ほぼ腰まで埋まりました。コケる際に勢いがつくと滑落しそうです。

参加者の方からは「本当にこのロープがあれば滑落しても止まるんですか?」という質問もあり、安全なところで実演。お一人が体重をかけても、他の人には影響なくすぐに停まることを確認いただけました。確保なしでは怖い斜面ですが、確保の上で攻めた歩行練習を体験いただけました。

冬山登山におけるギア選択の大切さ

参加者の方の感想でも多かったのはギアのこと。ワカンを購入したけど使うのは初めて、ということもあり、装着に時間がかかるなどの苦労もありました。

「参加する前は『こんなに道具が必要なの!?』と思っていましたが、必要でした」と言う感想もいただきました。雪が少なければツボ足で歩くこともできますが、積雪が多い場合、氷が多い場合、それぞれで必要な道具が変わってきます。

羽場崎ガイドからは、アイゼン・ピッケルが注目されがちですが、使える箇所ではワカン・スノーシューとストックを使うことで体力の消耗を抑えられるため、その使い方を学んでいただけてよかったとのメッセージ。

冬山登山は「この山にはこのギアがあれば良い」というものではなく、コンディションによってギアを使いわけること、使いこなすことが大切です。そういった判断力と、技術の大切さが皆様に伝わったのではないでしょうか。

次回は3/6(日)乗鞍高原で

次回は3/6(日)乗鞍高原で実技を開催します。机上講習は録画したものを閲覧して予習してください。

今シーズンはここ5年でこれまでにないくらい雪が多く良いシーズンです。高い山なら5月、もしかしたら6月も雪で遊べるかもしれません。しっかりと基礎を学ぶことで、今年の、そしてこれからの雪山を安全で楽しいものにできますよ。

お申し込みは以下から。皆さんのご参加、お待ちしています!


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