南木曽岳は登りも下りも歩く練習にピッタリ!登山レポート!

南木曽岳に登りました

やまスクの北村です!
南木曽岳でハシゴ・段差の登り下りとロープワークの基本を学ぼう」の下見も兼ねて、南木曽岳を蘭(あららぎ)登山道から登ってきました。
標高差はトータルで700mほど、コースタイムは登り2時間、下り1時間30分程度というところで比較的楽に思えます。が、実態はその事前の印象とは異なり、ハシゴや橋、段差などあり、適切なペース作り・歩き方が求められる良い山でした。途中途中の景観は樹林に遮られていますが、展望箇所はいくつもあり、御嶽山、乗鞍岳、穂高連峰、中央アルプス北部、南アルプスを眺めることができました。

登山口の蘭側駐車場は2箇所。到着が遅いと満車に。

名古屋からの車でのアプローチは、中央道を中津川ICで降りて向かう形が良いでしょう。所要時間はおよそ1時間40分。休憩も含めると2時間強。

朝5:30ごろに蘭の駐車場に着きましたが、既に4台の車が停まっていました。駐車場は手前に20台ほど停められる広いものと、さらに奥のトイレ前に6台ほど停められるところ。10時に下山した時には駐車場は満車で、道の待避所にまで車が…。車なら夜明けと同時に到着するぐらいが良さそうです。もしくは11時過ぎると下山してくる人もいるので、11時頃を狙うのも手かもしれません(もちろん遅い出発は、下山のタイムリミットが厳しくなります)。

登山口避難小屋前の看板。わかりやすいです。
小屋付近にはトイレあり。手洗い場はないので、ちょっと進んだ川で手を洗うのも良いでしょう。

植物群落の説明看板。

標識がわかりやすいです。

しっかりとした看板があるので、道迷いの心配も少ないです。ここはもちろん左へ。

南木曽岳は登りと下りの道がはっきりと別れています。ここはその合流点。左が登りの道。南木曽岳まで2.1km。近い。楽そうに思えますよね?

ハシゴの洗礼、早速始まる

2.1km。楽勝だなんて思っていると早速第一ハシゴ。左に手すり付き。右上の枝に頭をぶつけないよう注意。

倒木。ちょっとかがむ必要あり。ここで頭を打ちました…。

右にトラロープの手すり付き。踏み板がついています。つけてくださった方に感謝。

どんどんハシゴが出てくる

ハシゴと階段の間の存在です。

橋です。ちょっと板が腐り気味。冬の間のアイゼン利用者が踏んでいるのも影響ありそう。

踏み板の確度は坂に対して傾斜がつけられていて、街の階段のように水平に足を置けます。作ってくださった方の優しさが身にしみます。

登りの登山道”は”非常に整備されており、実に愛されている山だなぁと嬉しくなります。

このあたりまで来ると山登りというより階段登りに来た気分に。

一歩一歩ゆっくり歩こうとするも、狭い足場ではのんびりできず、ハシゴを早めのペースで通過、そして一息つく間もなく次のハシゴ、そして次のハシゴ…となかなか苦しい。

ここはなかなかの高度感。よくこんな崖にしっかりとした道を作ってくださったなー!と感激します。ここの右手は開けていて眺めは良いのですが、下を見ると足元も開けていて高度感があり、ちょっと怖いです。眺めを楽しむのもそこそこに通過。

ちなみにここの左にはアスレチックな岩ルートがあります。

樹林の間から。高度感も少しずつ出てきます。

こういう段差にもペースは乱されます…。なるべく小さな高低差を見つけて登りましょう。

バイカオウレン?途中の展望はあまり良くないので、積極的に植物に癒やされに行きましょう。

急なハシゴ!意識的にペースを保たないと膝に来ます。このようなハシゴが下りにもあると思うとなおさら体力を残さねば…。

アカヤシオ!可愛らしいですね。

そんなこんなで傾斜が緩んでくると山頂です。
北村の足では(写真を撮りつつ)1時間30分ほど。

山頂あたりを散策

さて南木曽岳山頂は展望がないとの噂ですが、どんなものでしょうか!

見事な樹林ですね…。展望なし。

ですがここから数分歩いたところに展望台(という名の巨岩)があります。

展望台からの御嶽山。良い眺めです。

ここからさらに緩やかな道を歩いていくと展望スペースへ。

赤い屋根は避難小屋。

立派なトイレもあります。これだけのものをここまで運んで建てるには、どれだけの苦労があったのか…。頭が下がります。

さてこのあたりからの眺めは…

左から御嶽山、乗鞍岳、右奥にうっすらと穂高連峰。穂高まで見えると嬉しい気持ちになります。

中央アルプスの山々。木曽駒ケ岳、空木岳など。雪は少なめですね。

いざ下山:登りも急な階段なら、下りも急な…

さて少し休憩したら下山です。下りが怖そうだなぁという予想をしていましたが、どうなんでしょう。

ルートの脇に、早速の崩壊地。覗き込むと結構怖いです。

どんどん行きましょう。

下りもハシゴですよ。トラロープは優しさですね。

下山途中の摩利支天から、南アルプスの眺め。やはり雪が少ないですね。

南木曽岳は、北アルプス、中央アルプス、南アルプスと眺めることのできる、お得な山ですね。

こういった展望台で景色を楽しみつつ、足を休めていきましょう。というのも…

手すりつき階段。
笹階段(もろい踏み板)。夏にこの笹が伸びてくると笹の葉で足が滑りそうです。

もろそうな階段。衝撃を与えないようそっと降ります。下りはこういった階段が多く、上りに比べて難しさがアップします。段差も大きいので、膝への負担も大きくて疲れます…。

下りはこういった木の根が滑りやすいんですよね…。足全体を地面に置くスペースもないので、木の根を踏むことに。ハシゴではないからと気を抜きがちなこういうところが実は危ない。

下りのルートでは谷まで滑落するような場所はないため強い恐怖感はないですが、転倒や足を捻る、というリスクはある道ですね。登りで体力と集中力を余らせておかないと、正直しんどいでしょう。距離・標高の値以上の、身体的・精神的疲労があります。

下山後の滝巡り

下山したら滝に寄り道。こちらは男滝。

こちらは女滝。

まとめ:南木曽岳は短い距離ながらもペース配分と足運びが求められる山

南木曽岳は登り・下りともハシゴや橋が多く、慎重な足運びと全行程を通してのペース配分が重要になります。鎖場や岩場が連続するということではないため、技術的な難易度は高くないのですが、ペースを乱されやすく、足運びも難しいところが多いです。そのあたりをコントロールできる人向けですね。難易度は低くはないです。登山初心者は連れてこないほうが良いと思います。
そこそこハードなので、アルプスを目指す人にも良いトレーニングになると思います。このルートが楽々なら、アルプスのノーマルルートの岩稜帯もスイスイいけるかもしれません。距離が物足りない方は、もう一周おかわりするのも良いでしょう。
ここまで読んで「結構しんどそうだなー」と思った方、木々や花もあり、展望台では北・中央・南アルプスまで見えて満足できる山ですよ。ぜひチャレンジしてみてくださいね。

南木曽岳でプロのガイドにハシゴ・段差の登り下りとロープワークの基本を学ぼう

さてこんな南木曽岳ですが、プロのガイドと登る講座を企画しています。

講師はアルプスネイチャークラブの羽場崎ガイド。

オンライン講義はロープワークを学んで、実技は主に歩き方を実践。下山後にロープワークを実践します。
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